「革財布やキーケースに名入れしたい。でも、どんな設定で彫ればいいのか分からない」
革はレーザー彫刻と相性のよい素材ですが、木材より焦げやすく、素材によって仕上がりが大きく変わります。この記事では、LaserPecker公式の素材設定一覧(2026年9月確認)から、LP2・LP2 Plus・LP3・LP4・LP5の革の設定値を機種別にまとめ、素材選びと焦げを防ぐコツを解説します。
⏱ 先に結論:革をきれいに彫るポイント
- 素材は「タンニン鞣し革」が彫刻跡のコントラストを出しやすい
- 設定は公式の値から始める:本革は「牛革」、合成皮革は「人造皮革」の値が目安
- 調整は1項目ずつ少しずつ:焦げたらパワーを下げる、薄ければ少し上げる
- 本番の前に、同じ革の端切れで試し彫りをする
この記事でわかること
- ✅ 機種別の革の公式設定値(彫刻・切断)
- ✅ 彫刻に向いている革・注意が必要な革
- ✅ 焦げ・ムラを防ぐコツ
- ✅ 彫刻後の仕上げ方法
📖 どのレーザーペッカーを選べばよいか気になる方は、こちらの比較記事もあわせてどうぞ。
レーザー彫刻に向いている革・注意が必要な革

| 革の種類 | 特徴 | 向き・不向き |
|---|---|---|
| タンニン鞣し革(ヌメ革など) | 植物由来のタンニンで鞣した革。彫刻跡が茶色く焼けてコントラストが出やすい | ◎ 最もおすすめ |
| 床革(とこがわ) | 革の裏側の層。価格が手頃で、試し彫りや練習用に使いやすい | ◯ 練習・小物に |
| クロム鞣し革 | 一般的な革製品に多い。色によっては彫刻跡が見えにくい | △ 試し彫りで確認 |
| PU革・合成皮革 | 樹脂製。熱で溶けやすく、においも出やすい | △ 換気を徹底 |
| 表面がコーティングされた革 | コーティングが反応してムラになることがある | △ 試し彫りで確認 |
初めて革に彫刻するなら、染色していないナチュラルなタンニン鞣し革を選ぶと、仕上がりを確認しやすくなります。塩化ビニール(PVC)製の合成皮革は、加工すると有害なガスが出るため使わないでください。おすすめの革素材は「レーザー彫刻用のレザーおすすめ4選」で紹介しています。
機種別:革の公式設定値
LaserPecker公式の「彫刻・切断用素材設定一覧」には、機種ごとに革の設定値が掲載されています。本革は「牛革」「レザー」、合成皮革は「人造皮革」の値が目安になります。
LP4(青色10W+赤外線2W)

| 素材 | レーザー | 塗りつぶし | 線彫刻 | 線切断 |
|---|---|---|---|---|
| 牛革 | 青色10W | 60 / 72(1k) | 60 / 86 | 30 / 35 |
| 人造皮革 | 青色10W | 6 / 69(2k) | 20 / 91 | 30 / 96 |
| 人造皮革 | 赤外線2W | 12 / 86(2k) | 50 / 96 | — |
LP4は、青色レーザーだけでなく赤外線レーザーでも人造皮革に彫刻できる値が公式に掲載されています。
LP5(ダイオード20W)

| 素材 | 塗りつぶし | 線彫刻 | 線切断 |
|---|---|---|---|
| 牛革 | 30 / 30(2k) | 40 / 53 | — |
| 人造皮革 | 33 / 27(2k) | — | 67 / 80 |
※ 焦点距離150mmの値です。
LP2 Plus(青色10W)
| 素材 | 塗りつぶし | 線 |
|---|---|---|
| レザー | 22 / 12(2k) | 10 / 50 |
| 牛革 | 38 / 17(1k) | 70 / 10 |
LP2(青色5W)

| 素材 | 塗りつぶし | 画像 |
|---|---|---|
| レザー | 100 / 3(1k) | 30 / 5(1k) |
LP3(赤外線1W)
| 素材 | 塗りつぶし | 画像 |
|---|---|---|
| レザー | 100 / 30(1k) | 100 / 80(1k) |
LP3は金属・プラスチック向けの機種ですが、公式の設定一覧にはレザーの値も掲載されています。
※ LaserPecker公式の「彫刻・切断用素材設定一覧」に掲載されている値です(2026年9月30日確認)。数値は「パワー% / 深さ%」で、アプリの同じ項目に入力します。( )内は解像度です。公式でも目安とされているため、端切れで試し彫りをして調整してください。
💬 公式の一覧には、革の厚みや鞣し方ごとの値はありません。同じ「牛革」でも、厚み・色・表面の仕上げで反応が変わるので、表の値はあくまで出発点と考えましょう。
革を切り抜く(カット)場合
公式の設定一覧で、革の「線切断」の値が掲載されているのは次のとおりです。
| 機種 | 素材 | 線切断(パワー% / 深さ%) |
|---|---|---|
| LP4 | 牛革 | 30 / 35 |
| LP4 | 人造皮革 | 30 / 96 |
| LP5 | 人造皮革 | 67 / 80 |
切断できる革の厚さは公式の一覧に書かれていないため、薄い革から試し、切り抜けない場合は同じ設定で繰り返し切る(パスを増やす)方法で調整しましょう。切断は彫刻より煙が多く出るため、換気を強めてください。
焦げ・ムラを防ぐ5つのコツ
1. 同じ革の端切れで試し彫りする
革は、同じ種類でも鞣し方や染め方によって反応が大きく変わります。本番の革と同じ素材の端切れで、設定を確認してから本番に入りましょう。
2. 設定は1項目ずつ調整する
焦げすぎる場合はパワーを少し下げ、薄すぎる場合は少し上げます。一度に複数の項目を変えると、どの変更が効いたのか分からなくなるため、1項目ずつ変えて結果を比べましょう。
3. 彫刻面を清潔にする
表面に油分や汚れ、ワックスが残っていると、ムラや焦げの原因になります。彫刻前に乾いた布で汚れを落としておくと、仕上がりが安定します。
4. マスキングテープは試してから使う
木材では焦げ跡を防ぐためにマスキングテープを貼ることがありますが、革ではテープの粘着剤が残ったり、はがすときに表面を傷めたりすることがあります。使う場合は、端切れで試してからにしましょう。
5. 深く彫りたいときは繰り返し彫る
一度で深く彫ろうとしてパワーを上げすぎると、焦げやすくなります。同じ設定で2〜3回繰り返して彫る(パスを増やす)方が、焦げを抑えながら深さを出しやすくなります。
革の種類別 仕上がりの特徴(目安)
| 革の種類 | 彫刻後の色 | コントラスト | 難易度 |
|---|---|---|---|
| タンニン鞣し(ナチュラル) | こげ茶〜濃茶 | ★★★★★ | 中 |
| タンニン鞣し(染色済み) | 素材色より濃い | ★★★★☆ | 中 |
| 床革 | こげ茶 | ★★★★☆ | やさしい |
| PU革(明るい色) | 焦げ茶〜黒 | ★★★☆☆ | やや難 |
| クロム鞣し(黒) | 見えにくい | ★★☆☆☆ | 難 |
※ 一般的な傾向をまとめた目安です。素材によって異なります。
彫刻後の仕上げでクオリティアップ
1. 蜜蝋ワックスで保護する
彫刻後に蜜蝋ワックスを薄く塗ると、革の乾燥を防ぎ、つやが出ます。
2. オイルで仕上げる
レザーコンディショナーやオイルを薄く塗ると、革に深みとつやが出ます。彫刻部分ににじまないよう、薄く伸ばす程度にとどめましょう。
3. 彫刻部分に色を入れる
彫刻した溝にレザー用の染料やアクリル絵の具を入れると、彫刻部分を色で引き立てられます。ゴールドやシルバーを入れると、ギフトらしい高級感が出ます。
財布やキーケースへの名入れは「革小物に名入れする方法」をご覧ください。
革彫刻に必要な道具
| 道具 | 用途 | 必要度 |
|---|---|---|
| 端切れの革 | 試し彫り用 | ★★★★★ |
| 保護ゴーグル | レーザー光から目を守る | ★★★★★ |
| 蜜蝋ワックス | 彫刻後の保護 | ★★★☆☆ |
| レザーコンディショナー | 仕上げ | ★★★☆☆ |
| 細筆 | 彫刻部分の色入れ | ★★☆☆☆ |
よくある質問
Q. 100均の合皮小物に彫刻できますか?
できる場合もありますが、合皮は素材がはっきりしないものが多く、塩化ビニール(PVC)製だと有害なガスが出ます。材質が表示されていて、PVCでないことを確認できるものだけを使いましょう。
Q. 財布に直接彫刻できますか?
立体的な財布は平らな状態を保ちにくく、ムラになりやすいです。平らな部分に限定するか、財布を組み立てる前のパーツの状態で彫刻するのがおすすめです。
Q. 白い革に彫刻すると黒くなりますか?
タンニン鞣し革は、彫刻した部分がこげ茶〜黒っぽくなります。白いクロム鞣し革やコーティングされた革は、彫刻跡が見えにくい場合があります。
Q. 革のキーホルダーを量産するには、どの機種が向いていますか?
作業時間はデザインの大きさや設定によって大きく変わります。量産のしやすさを重視するなら、最大速度がLP4(4,000mm/s)の約2.5倍のLP5(10,000mm/s)が向いています。
まとめ:革彫刻は「素材選び」と「試し彫り」が大切
💬 革への彫刻は、素材選びで仕上がりが大きく変わります。初めての場合は、ナチュラルカラーのタンニン鞣し革を用意して、お使いの機種の公式の値を出発点に試し彫りをしてみてください。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 素材選び | タンニン鞣し革・床革が彫りやすい |
| 設定 | 公式の「牛革」「人造皮革」「レザー」の値から始める |
| 調整 | 焦げたらパワーを下げる。1項目ずつ少しずつ |
| 仕上げ | ワックスやオイルで保護・つや出し |
木材や金属の彫刻方法もあわせてどうぞ。
📊 機種ごとのスペック・価格・得意素材をまとめて比べるならこちら。
本記事の設定値は2026年9月時点の公式の目安です。最適な設定は素材や機体によって変わるため、試し彫りでご確認ください。

